2016
07/20
10:55
神戸市立博物館の歌川国芳・国貞展を鑑賞
Category : 展示会
神戸市立博物館の歌川国芳・国貞展を鑑賞
3年前に、大阪市立美術館へ曽我蕭白(しょうはく)の『雲龍図』を、観に行って以来のボストン美術館所蔵の展示会『俺たちの国芳・わたしたちの国貞』展が開催されている、神戸市立博物館へ行って来ました。最寄りの三ノ宮駅へ降りるのは10年ぶりで、昔と少しも変わっていませんでした。梅雨の晴れ間の暑い日中に、初めて行く神戸市立博物館を探しながら汗だくになりながらたどり着きました。江戸時代末期に活躍した歌川豊国の兄弟弟子「武者絵」の国芳と「美人画」の国貞の大人気を博した天才浮世絵師の対照的な作風が観ていて非常に面白かった。個人的には、国芳の作風が好きで観飽きる事がなく堪能しました。11歳年上の兄弟子の国貞の「柔和で温順」な性格に対して、国芳の「職人肌で仕事師」のチャキチャキの江戸っ子気質が作風に実によく出ていました。猫好きの国芳は、いろんな作品に猫が描かれていて、常に5~6匹の猫を飼っていたと言う話です。7月末までは、博物館内で写真撮影が出来るので150枚余りの写真を撮ってきましたが、帰ってからパソコンで見るとピンボケ写真も多くありました。主な作品を紹介します。


会場を入ったホールにある、大型ディスプレイでお出迎えです。

歌川国芳 「相馬の古内裏」。の一部分を切り取ってディスプレイにした。

歌川国芳の出世作、通俗水滸伝豪傑百八人之壱人シリーズ。

歌川国芳 「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」。侠客や伊達男を描くシリーズ。着物の絵柄が、猫で描かれた髑髏(どくろ)。


歌川国芳 「相馬の古内裏」。山東京伝による読本『忠義伝』に取材した作品で、源頼信の家老大宅光国と平将門の遺児で妖術を操る滝夜叉姫との対決の場面。

歌川国芳 「鬼若丸の鯉退治」。竜巻のごとき勢いで巨大な赤鯉が出現!鬼若丸がこれを捕らえんとする緊張の瞬間!大判三枚続の画面が繰り広げる、動と静のスペクタクル!

歌川国芳。「見立東海道五拾三次岡部 猫石 由来」

歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」。曲亭馬琴の「椿説弓張月」の一場面を描いた。

江戸歌舞伎役者の人相帖。

歌川国貞 「大当狂言ノ内 八百屋お七」 五代目岩井半四郎。

歌川国貞「当世三十弐相 あづまのお客もうき相」

歌川国貞「当世三十弐相よくうれ相」。女性が一心に手紙を読んでいる。包み紙をくわえており、早く内容を読みたくて仕方がないと言う様子。

歌川国貞「浮世人精天眼鏡」。国貞を代表する美人大首絵揃物。国貞が絵を描き、山東京山が戯作風の題記を加える。

歌川国貞「藍摺遊女」の一部を切り取ったディスプレイ。「藍摺」とは、当時西洋から輸入された化学顔料「ベロ藍(プルシャンブルー)」の濃淡とほんの少しの紅などで表現された作品です。今までになかった鮮やかな青の世界に、江戸の人々は魅了されました。

歌川国芳「初雪の戯遊」。現在より寒冷で降雪が多かった当時の江戸では、達磨・みみずく・犬などさまざまな形の「雪だるま」が作られた。本図は国芳らしく猫の雪だるまとなっている。

歌川国貞「見立邯鄲(みたてかんたん)」。洗いざらしの長い髪が細やかな線によって揺れて見える。櫛の微細な装飾も見事で、透けた団扇からのぞく口元、金物細工の蝶を見つめる目元も妖艶。能の「邯鄲」をもとにした美人絵で、藍摺の背景に物語の情景が描かれる。細かい描写には、驚かされる。元絵の浮世絵師もさることながら、細かい部分を彫る彫り師や仕上げの摺り師の職人技があってこその作品だと、感心しました。

国芳が、未来の「スカイツリー」を予測した浮世絵として、都市伝説にまでなっている絵。隅田川周辺のしじみ漁や町並みを描いているが、左側にそびえ立つ塔がそれで、国芳が200年前に予知していたとマニア間では言われている。

2時間余りの、浮世絵鑑賞でしたが平日にも関わらず、シルバーエイジ層で一杯の神戸博物館でした。ゆっくりと鑑賞するよりも、デジカメ撮影に忙しく、帰宅してからパソコンで画像を楽しみました。誰でも知っている有名な絵も多々ありましたが、初めて見る絵もありました。また、機会があれば次の浮世絵展を鑑賞してみたいと思っています。しかし、これだけ膨大な数の浮世絵が何故「ボストン美術館」の所蔵になっているのか、戦後のドサクサにアメリカが引っさらって行ったのかも?と思うと経緯は、詳しく分かりませんが、複雑な気持ちになりながら、帰宅しました。
3年前に、大阪市立美術館へ曽我蕭白(しょうはく)の『雲龍図』を、観に行って以来のボストン美術館所蔵の展示会『俺たちの国芳・わたしたちの国貞』展が開催されている、神戸市立博物館へ行って来ました。最寄りの三ノ宮駅へ降りるのは10年ぶりで、昔と少しも変わっていませんでした。梅雨の晴れ間の暑い日中に、初めて行く神戸市立博物館を探しながら汗だくになりながらたどり着きました。江戸時代末期に活躍した歌川豊国の兄弟弟子「武者絵」の国芳と「美人画」の国貞の大人気を博した天才浮世絵師の対照的な作風が観ていて非常に面白かった。個人的には、国芳の作風が好きで観飽きる事がなく堪能しました。11歳年上の兄弟子の国貞の「柔和で温順」な性格に対して、国芳の「職人肌で仕事師」のチャキチャキの江戸っ子気質が作風に実によく出ていました。猫好きの国芳は、いろんな作品に猫が描かれていて、常に5~6匹の猫を飼っていたと言う話です。7月末までは、博物館内で写真撮影が出来るので150枚余りの写真を撮ってきましたが、帰ってからパソコンで見るとピンボケ写真も多くありました。主な作品を紹介します。


会場を入ったホールにある、大型ディスプレイでお出迎えです。

歌川国芳 「相馬の古内裏」。の一部分を切り取ってディスプレイにした。

歌川国芳の出世作、通俗水滸伝豪傑百八人之壱人シリーズ。

歌川国芳 「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」。侠客や伊達男を描くシリーズ。着物の絵柄が、猫で描かれた髑髏(どくろ)。


歌川国芳 「相馬の古内裏」。山東京伝による読本『忠義伝』に取材した作品で、源頼信の家老大宅光国と平将門の遺児で妖術を操る滝夜叉姫との対決の場面。

歌川国芳 「鬼若丸の鯉退治」。竜巻のごとき勢いで巨大な赤鯉が出現!鬼若丸がこれを捕らえんとする緊張の瞬間!大判三枚続の画面が繰り広げる、動と静のスペクタクル!

歌川国芳。「見立東海道五拾三次岡部 猫石 由来」

歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」。曲亭馬琴の「椿説弓張月」の一場面を描いた。

江戸歌舞伎役者の人相帖。

歌川国貞 「大当狂言ノ内 八百屋お七」 五代目岩井半四郎。

歌川国貞「当世三十弐相 あづまのお客もうき相」

歌川国貞「当世三十弐相よくうれ相」。女性が一心に手紙を読んでいる。包み紙をくわえており、早く内容を読みたくて仕方がないと言う様子。

歌川国貞「浮世人精天眼鏡」。国貞を代表する美人大首絵揃物。国貞が絵を描き、山東京山が戯作風の題記を加える。

歌川国貞「藍摺遊女」の一部を切り取ったディスプレイ。「藍摺」とは、当時西洋から輸入された化学顔料「ベロ藍(プルシャンブルー)」の濃淡とほんの少しの紅などで表現された作品です。今までになかった鮮やかな青の世界に、江戸の人々は魅了されました。

歌川国芳「初雪の戯遊」。現在より寒冷で降雪が多かった当時の江戸では、達磨・みみずく・犬などさまざまな形の「雪だるま」が作られた。本図は国芳らしく猫の雪だるまとなっている。

歌川国貞「見立邯鄲(みたてかんたん)」。洗いざらしの長い髪が細やかな線によって揺れて見える。櫛の微細な装飾も見事で、透けた団扇からのぞく口元、金物細工の蝶を見つめる目元も妖艶。能の「邯鄲」をもとにした美人絵で、藍摺の背景に物語の情景が描かれる。細かい描写には、驚かされる。元絵の浮世絵師もさることながら、細かい部分を彫る彫り師や仕上げの摺り師の職人技があってこその作品だと、感心しました。

国芳が、未来の「スカイツリー」を予測した浮世絵として、都市伝説にまでなっている絵。隅田川周辺のしじみ漁や町並みを描いているが、左側にそびえ立つ塔がそれで、国芳が200年前に予知していたとマニア間では言われている。

2時間余りの、浮世絵鑑賞でしたが平日にも関わらず、シルバーエイジ層で一杯の神戸博物館でした。ゆっくりと鑑賞するよりも、デジカメ撮影に忙しく、帰宅してからパソコンで画像を楽しみました。誰でも知っている有名な絵も多々ありましたが、初めて見る絵もありました。また、機会があれば次の浮世絵展を鑑賞してみたいと思っています。しかし、これだけ膨大な数の浮世絵が何故「ボストン美術館」の所蔵になっているのか、戦後のドサクサにアメリカが引っさらって行ったのかも?と思うと経緯は、詳しく分かりませんが、複雑な気持ちになりながら、帰宅しました。